コラム:マクソンDCモータの優れた特性

マクソンDCモータの優れた特性を実現するのは、ベル型アーマチャ巻線コアレス(スロット積層板なし)の原理です。

マクソンベル型アーマチャモータコア付従来型モータ断面図

図1.2:断面図
a) マクソンベル型アーマチャモータ(左)
b) コア付従来型モータ(Alcatel Dunkermotoren社のご好意により掲載)(右)


コギングトルクがありません
従来型のDCモータでは、巻線部に軟磁性の歯が二極化して作られ、近傍の永久磁石に引き付けられます。磁極の次の位置へ移動するには、再磁化が必要です。ロータは、磁極の決まった位置で停止する傾向があるため、電源が入っていない状態では、これらの位置で停止します。これがコギングトルクですが、その結果、発生したトルクはリップルを含みます。しかし、マクソンモータはコギングトルクの影響を受けません。それは、ロータに鉄が含まれないからです。こうした設計により、次のような優位性が実現できます。


    • 低速でも回転がなめらかです。
    • 動作中でも低振動、低ノイズです。
    • どのようなロータ位置でもシンプルに制御できます。(制御応答における線形性)

鉄損がありません
鉄損の定義は、再磁化とそれに誘発された渦電流によって、コア内で発生する電力損失です。鉄損が発生するのは磁束が変化する時です。しかし、マクソンDCモータの場合、永久磁石がステータに固定されているため、磁束は変化せず、またロータに鉄を含ませません。したがって、鉄損は実質的に存在せず、次のような優位性が実現できます。


    • 最大効率は高く、90%以上に達します。
    • 無負荷電流は低く、一般的には50mA未満です。
    • バッテリー動作用途への適合性が優れています。

コア内の飽和効果がありません
コアレスモータでは、コイルとステータ磁界間の相互作用は、磁性回路(特にスロット積層板構造)の飽和の影響を受けません。その結果、


    • モータ電流(最大電流であっても)と発生トルクが正確に比例します。
    • マグネットが強力になるほど、モータは、より強力になります。磁性工学の進歩によって、より強力なモータが実現されます。

低いインダクタンス値です
コアレス巻線は、コア部で発生する高インダクタンスの影響を受けません。整流中の切り替えに要する磁性エネルギーは少なくなり、ブラシとコミュテータ間の接触遮断時のアーク放電も大きく減少します。このため、コアレスマクソンDCモータは、


    • 製品寿命が長くなります。
    • 除去の必要な電磁妨害はほとんどありません。電流負荷が高くEMI対策が特に非常に重要な用途でなければ、特別の抑制対策は不要です。妨害信号の抑制には、端子にコンデンサを追加するか、フェライトコア周辺に端子巻線を巻くだけで十分です。(127章参照)
      しかし、低インダクタンスによって電気的時定数は低下します。電流は非常に急峻に反応し、電流リップルが発生、パルス出力段(PWM)による駆動時には、モータが温度上昇します。また、その他の影響として、電流コントローラ自体の不安定性があります。そのため、マクソンコントローラは、モータチョークコイルを追加実装し、高いスイッチング周波数(40~60kHz)のPWMを利用することで、電流リップルを抑制します。

小型のデザインです
ベル型ロータの採用により、マグネットはモータ中央に位置し、省スペース化されます。マグネット形状は、コア付より優れており、より効果的な磁性回路設計を実現し、空隙が広がっても、その磁界強度は高くなります。次のような効果があります。


    • 電力密度(出力対容積比)は非常に高くなります。
    • モータ構造は小型で軽量です。

ベル型アーマチャモータの中空型シリンダの慣性質量モーメントは、中空でないコア付シリンダに比べ、ずっと低く、高い動的応答性と高加速性(数ミリセカンドで起動)を実現します。


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