4. ステップ2:負荷の動作(7)

4.5 時間軸上の側面: 動作モード
DIN VDE 0530は、標準動作モードをS1~S8に分類していますが、本書の目的を満たすのは、連続動作(S1)、短時間動作(S2)、および周期的動作(S3~S8)です。 この分類の基本は、負荷サイクルを持続する上で必要なドライブの温度特性です。負荷周期は、モータとギヤヘッド(数分)や、コントローラと巻線(数秒)ごとに異なる熱時定数、つまり温度上昇時間に合わせて設定する必要があります。

連続動作(S1)
連続動作の特徴は、ある延長された時間、定負荷をかける用途であることです。「延長された」の意味は、ドライブの熱時定数に対する長さです。この条件によって、ドライブは温度均衡に達し、温度は許容範囲内で一定の値になります。

周期的動作
周期的動作では、スピード-トルクプロファイルの連続は、短い休止時間を周期ごとにいれながら、一定の周期で繰り返されます。一般に、発生するピーク負荷(例えば加速中)は、システムの最も短い熱時定数より短くなります。モータにとって、これは、巻線の熱時定数です。したがって、1周期の中で、巻線の温度はその平均値周辺でわずかに変動するだけです。しかしドライブは、実効負荷(図 4.8)で動作しているかのように、何周期にもわたり温度上昇します。この特性があるため、実効負荷での連続動作として周期的動作を扱うことがよく行われます。
断続的動作S3(下記参照)は周期的動作の特殊な形態です。

図 4.8: マクソンDCモータの断続的動作における温度上昇と温度下降シミュレーション
図 4.8: マクソンDCモータの断続的動作における温度上昇と温度下降シミュレーション

注) 時間軸は対数表示。巻線の熱時定数は16秒であり、負荷の変動に非常に急速に反応します。 負荷周期を数回繰り返した後、平均巻線温度はハウジングより20~25K高くなります。ハウジング(またはモータ全体)の質量はずっと大きいため、それに応じて熱時定数は約600秒と高い値になります。 ハウジング温度は早い負荷変動に追従することはできないですが、最大値まで連続して上昇していきます。約4,000秒後、温度均衡に達し、連続動作と同等になります。モータの電源をオフした後、巻線は急速に反応し、巻線温度は実質的にハウジング温度まで下降します。その後、モータ全体で温度が下降します。

短時間動作(S2)
短時間動作は、短時間のピーク負荷後、ドライブ温度が外気温まで下降する長い休止時間をとります。負荷時間中に、これらのドライブ要素だけが熱時定数に対応し、温度上昇します。

断続的動作、ON-OFF動作(S3)
典型的なON-OFF動作の特徴は、仮定した定トルク負荷Monton時間持続し、その後無電流時間がtoff時間あり、それが周期的に繰り返される動作です。この負荷プロファイルでは、高頻度のスタートストッププロセスを単純化して記述するのに用いられます。この実効負荷は

 

既知のドライブでは、最大許容連続負荷電流IN(定格電流)は、最大許容負荷を表します。 動作周期tonが最短の熱時定数より短い場合、最大負荷のいくつかの値は、有効電流値がINより小さくなければならないという条件から導くことができます。


図 4.9: ON-OFF動作中の負荷カーブ  

 図 4.9: ON-OFF動作中の負荷カーブ
ON時の電流Ionは連続負荷電流IN(赤線)より大きくなることがあります。

ON周期tonはどのくらい長く持続できるのでしょうか?
ON周期の持続時間は過負荷の度合い、つまりIonINの比、および放熱可能な休止時間toffによって決まります。その関係に適用されるのは、

― 動作周期中の過度の温度変動を避け、また平均化の手法を利用可能にするため、さらに必要となる条件は、tonはモータ巻線熱時定数の約1/2までとして下さい。
― もし Ion<IN であれば、過負荷は発生せず、ton は必要なだけ長くすることができます。

休止時間toffはどのくらい長く持続しなければならないのでしょうか?
同様に最小限の休止時間は負荷とON周期の長さによって決まります。


ON周期Ionの間に最大電流はどれだけ高くできるのでしょうか?
動作周期および定格電流(=最大連続負荷電流)が決まると、最大負荷に対して、

 

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