5. ステップ3 : ドライブの機構設計(4)

5.4 歯付ベルトドライブ
歯付ベルトは機能的にはギアヘッドに非常に類似しています。歯付ベルトは、ギアヘッドに比べ回転がなめらかな点と、入出力軸の配置の自由度が高い点が特徴です。高い減速比と複数のドライブに対応できる大型プーリを実現することができます。歯付ベルトは、短い衝撃負荷に対する感度がより高いにも関わらず潤滑剤を必要とせず、メンテナンス作業もほとんど不要です。弾性挙動は一般に高いですが、バックラッシュを非常に小さく保つことができます。歯付ベルトには、張力が必要です。その結果発生するラジアル荷重はベアリングを適正に設計することで吸収する必要があります。部品(例えばプラスチックフランジを持つモータ等)が正しく設置されていない場合、歯付ベルトの動作中に、静電気が発生する可能性があります。
他のベルトドライブ(平ベルト、Vベルト、チェーンドライブ)についても同様に十分検討します。


図 5.5: 歯付ベルトドライブのパラメータ
図 5.5: 歯付ベルトドライブのパラメータ
出力(負荷、out)は青で表示。
入力(モータ、in) はグレーで表示。

歯付ベルトの変換式
歯付ベルトの特性変数は、ドライブと負荷プーリの直径(d1, d2)、慣性モーメント(J1, J2)、ベルトの質量m、及び、全効率ηです。
出力軸での遊びは、挙動Δφoutで示します。

計算式は


― 回転速度  回転速度
― トルク   トルク

定加速のための追加トルク (減速比Δta )

定加速のための追加トルク


― 入力軸での遊び  入力軸での遊び さらにプラスチック部品の分を追加。

効率と摩擦
プーリのベアリング部で摩擦損失が発生し、その結果、ベルトの変形が発生します。歯のかみ合い部でのすべり摩擦により、追加損失が発生します。歯付ベルトの効率は、例えば96…98%(出典:G.Nielmann, H.Winter『Maschinenelemente』, 2nd edition, Springer 1989)など、非常に高い代表値となります。

検証すべき追加パラメータ
特定の用途では、メーカの提供するデータを参照し、次の点を検証する必要があります。
― 歯付ベルトの最大負荷、それに合わせて選定される幅
― ベルト曲線部の最小半径とピッチから決まる実現可能なプーリ直径
― 最大回転数
― ベルト張力とベアリングへのラジアル荷重
― 位置決め用途での機械的遊びと弾性
― ドライブ構成要素の接地 (静電気の帯電)

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