5. ステップ3 : ドライブの機構設計(5)

5.5 スピンドルドライブ
ドライブのスピンドルは、回転動作を直線動作に変換します。 設計上、最も一般的なのは、再循環ボールネジとスレッドスライディングスピンドル軸の2種類です。小型のドライブでは、台形ネジに加えメートルネジも使用します。実例の全般的な説明は11章を参照し、検討してください。

スレッドスライディングスピンドル軸
スレッドスライディングスピンドル軸の特徴は
― 高い表面圧とそれによるセルフロック
― セルフロックにより、電流を供給せずに垂直方向の動作の位置の維持が可能
― 動作時間はデューティサイクルの最高60%まで可能(ナットの温度は要注意!)
― 低効率(30%から最大50%)
― 最大速度0.7 m/s
― 低コスト
― なめらかな動作、ころがりではなくすべり
― 典型的用途はアクチュエータ
スレッドスライディングスピンドル軸の適合性は、リードネジとナットの材料の組み合わせに依存します。マクソンは、高負荷、長製品寿命のため産業用セラミック材の特殊リードネジをご提供しています。

図 5.7: マクソンプラネタリギアヘッドとモータに直結したセラミック材と金属材のスレッドスピンドル軸
図 5.7: マクソンプラネタリギアヘッドとモータに直結したセラミック材と金属材のスレッドスピンドル軸

再循環ボールネジ
直線動作はリードとナットのガイド溝間を回転するボールによって実行されます。再循環ボールネジはリードとナットの間をボールが再循環するボールベアリング一式を備えたスレッドスピンドル軸です。リードの側面は、再循環ボールの適合性をよくするため、丸みがつけられています。ころがり摩擦係数は、約0.02です。ボールネジの特徴は
― 定常的な反転動作
― プリロード時の高い再現性
― 低い温度上昇に伴う高効率 最大0.99 
― デューティサイクル最大100%の動作時間が可能
― 非セルフロック式。 この特性があるため、制御せずに位置を維持する必要がある場合、保持ブレーキが必要となる可能性があります。
― 典型的な用途は位置決めユニット
― 台形ネジに比べ高価

ネジのドライブ変換式
ネジを特徴づけるのは、スレッドピッチp、リニアバックラッシュΔSout、ネジの慣性モーメント JS 、ナットの質量mS 、そして総合効率ηです。

計算式は
― 回転速度 (rpm) 回転速度 (rpm)
― トルク トルク
― 定加速のための追加トルク  (持続時間Δtα

定加速のための追加トルク  (持続時間Δtα)
― 入力軸での遊び(角度) 入力軸での遊び(角度) 

図 5.8: スピンドル軸ドライブのパラメータ
図 5.8: スピンドル軸ドライブのパラメータ
出力(負荷、out)は青で表示。 入力(モータ、in) はグレーで表示。

 

 

 

 

効率と摩擦
ネジの軸受内で摩擦によって結合しているスレッドとナットの間に損失があるため、効率は一般に
― スライディングネジ 20-50%
― 再循環ボールネジ 90-99%

プリロードと挙動
反転の挙動とヒステリシスは、ネジに関してナットにプリロードをかけることによって最小限に抑えることができます。プリロードがトルクに与える影響は非常に大きいため、摩擦、製品の動作寿命、およびプリロード値は非常に慎重に選定する必要があります。

検証すべき追加パラメータ
特定の用途では、メーカの提供するデータを参照し、次の点を検証する必要があります。
― スピンドル軸の最大負荷、動作周期、温度上昇
― 移動の最大速度
― 位置決め用途におけるバックラッシュ
― ネジの軸方向の取り付けとベアリングは予想される寿命時間内において、搬送力に耐えうる必要があります。
― 温度範囲によっては特殊な潤滑剤が必要となります。

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