7. ステップ5 : モータの選定(2)

7.2 回転数とトルク要求
さらに、モータ選定にあたっては、トルクと回転数を両立できる要求条件を中心に考慮する必要があります。出力レートに基づくモータ選定は、選定ミスを招く原因になりかねず、推奨できません。例えば、最大許容回転数は、出力レートの算出のためにファクタではありますが、フルに活用されるわけではありません。

回転数
モータ軸で発生する最大回転数nmaxMot は、 モータの最大許容回転数nmax 以下でなければなりません。

 nmaxMot nmax

一般に、予測有効製品寿命は、DCモータのブラシシステムのベアリング負荷と機械的摩耗が増加するため、モータ回転数が上がるに従って短くなります。同様に、ノイズの発生量も増加します。最大許容回転数を超える回転数の場合、これらの減少は特に顕著になります。

実効トルク
要求される実効トルクMrmsMot は、モータの最大連続トルクMN より小さくなければなりません。

MrmsMot MN

最大連続トルクは最大連続電流IN から導かれます。最大連続電流IN はモータの最大連続電流、つまり温度の観点から見た最大許容電流と等しくなるよう選定されます。マクソンモータの低摩擦損失はモータの連続許容トルクに含まれますが、これは、その検討が必要なことを意味します。グラファイトブラシの摩擦損失とブラシレスECモータの鉄損は回転数に依存します。結果は、連続動作範囲の境界領域を近似して可視化し、モータ模式図(7.5章参照)に示します。

最大トルク
モータは、用途に必要な最大トルクを発生できる必要があります。経験的に始動動作時であってもモータの公称電圧での停動トルクMH を超えてはならないことがわかっています。十分に高い停動トルクを持つ大型モータの場合には、最大連続トルクの4倍の短時間ピークトルクMN を、問題なく処理することができます。

MmaxMot ≦ 4・MN   または  MmaxMot MH

さらに、巻線温度と外気温、過負荷の程度と持続時間をより詳細に分析します。非常に動的な用途の場合、モータ加速のための追加トルクは、動作点の計算に含めなければなりません。

追加トルク    (持続時間Δtα 、ロータの慣性モーメントJrot )

実効負荷は再計算が必要となります。

7.3 モータの適合性
ここまでの検討結果をリストアップしますが、この結果は選定したギアヘッドとともに負荷動作点要求を満足しています。このリストは、個々のモータの適合性を決定する上で、極めて慎重に吟味されなければなりません。

- その整流方式は、製品寿命の期待値の要求を実現するのに適しているでしょうか(7.4章)?
- 適したフィードバックセンサを含めることは可能でしょうか?
- ギアヘッドとモータの出力はどの程度の余裕を持たせているでょうか?
- 最大寸法は許容限界内でしょうか?

モータの選定にあたり、追加要因の検討が必要です。
- ベアリング負荷: ベアリングシステムは、スラスト荷重とラジアル荷重の要求に耐えられるでしょうか? リードネジに働く軸方向の力や、ベルトとカムに働くラジアル方向の力を充分支持できるように配慮されているでしょうか?
- 環境温度と動作温度は予測されているでしょうか?

一般に、適切な選択はこれらの判断基準に基づいて特定します。

仮に解決策がない場合、あるいは、解決策が不十分な場合、選定プロセスは境界条件(4章ステップ2)を変更して、再度初めから見直さなければなりません。新たな境界条件として可能性のあるのは
- 負荷回転数と負荷トルクの要求条件を緩める
- 加速時間を長くする
- 停止時間を長くする
- 負荷を軽くし、ドライブの慣性モーメントを減らす
- ドライブ設計上のパラメータ(例えば減速比、スレッドピッチ、プーリ直径)を変更する
- 他の(より大型の)ギアヘッドを選定する

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