コラム:CLLとは何でしょうか?

CLLは、キャパシタ・ロング・ライフ(Capacitor Long Life)の略で、貴金属ブラシDCモータの製品動作寿命を延ばすのに使用されます。CLLはRCフィルタの原理を利用し、ブラシのスパークを抑制します。

ブラシを利用する整流プロセスでは、巻線部の電磁場内で接触が連続的に開閉します。接触が開く時に発生する誘導アーク放電は、貴金属ブラシとコミュテータ部を電気的腐食で傷つけます。その結果、整流システムの製品寿命は減少します。電流負荷、回転数、コイルインダクタンスが高くなるほど、この電気的腐食効果の程度は顕著になります。

CLLの考え方では、追加RCフィルタは隣接するコミュテータ部間に割込み、つまり、開接触に対して並列です。接続されたコイルセグメントのインダクタンスLにより誘導されたスパイク電圧は、キャパシタンスC に変換され、コイル部とCLLで形成されたRLC 共振回路にて減衰振動されます。理想的には、発生する最大電圧は12V以下を維持し、コミュテータとブラシ間で放電させるため、最小限の電圧が必要です。

 図 7.4: ブラシのアーク放電を抑制するCLLの原理

図 7.4: ブラシのアーク放電を抑制するCLLの原理
a) 7-セグメントコミュテータの実例を利用した模式図
b) ブラシとコミュテータセグメント間の接触が開く時の電圧カーブ(一般的な形)の模式図
c) CLLディスクを持つロータ

CLLは、アーク放電に対し弱い貴金属ブラシとともに使用します。グラファイトブラシを持つ製品の動作寿命では効果がありません。また、アーク放電を抑制することは電磁輻射を減少させる上でも有効です。

しかし、CLLを利用することのもう1つの意味は、パルス幅変調方式(PWM)で重要な端子間静電容量を増加させることです。端子間静電容量は、高速の電圧変化時に短絡回路として機能します。これは、無負荷電流の上昇と過度のモータ温度上昇を発生させます。

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