8. ステップ6 : 巻線の選定(1)

図 8.1: 選定プロセスのステップ6はモータ巻線、すなわちモータの電気的側面の選定です。

 図 8.1: 選定プロセスのステップ6はモータ巻線、すなわちモータの電気的側面の選定です。

本章は、選定したモータ・タイプの中から適正な巻線を選ぶ方法を説明します。電気的性能はモータの巻線の種類によって異なり、巻線選定プロセスの目的は電気的側面と機械的出力側面の間で最適な組み合わせを実現することです。

8.1 回転数-トルク特性
回転数-トルク直線は、適用するモータ電圧UMotで可能なモータの動作状態(動作点)を表します。
DCモータとECモータでは、この特性直線は、標準関係図(回転数対トルク、図8.2参照)上で、無負荷回転数n0(トルク0)から停動トルクMH(スピード0)まで直線関係となっています。その関係式は、

無負荷回転数n0(トルク0)から停動トルクMH(スピード0)まで直線関係

となり、ここで、Δn/ΔM は回転数-トルク直線の傾斜であり、Knはモータの回転数定数です。

回転数-トルク直線は、負荷の増加に従いモータの回転数が低下していくことを表しており、最終的に停動トルクとなって停止します。トルクの観点から、モータは停止状態で、最大トルクを出し、回転数が上がるほど発生するトルクは低下します。

回転数定数と公称電圧
カタログ上では、電圧依存する値は、電圧の指標と考えられる公称電圧UNで与えられます。これは、モータ動作時に必要となる電圧ではありません。適用するモータ電圧UMotの影響を受け、回転数-トルク直線が平行移動します。つまり、電圧が上がると上へシフトし、下がると下へシフトします。直線の傾斜に変化はありません。これに応じて、無負荷回転数と停動トルクもシフトします。無負荷回転数は、適用するモータ電圧と回転数定数から容易に算出できます。(第1近似ではモータ内の損失は無視できるものとみなします。)

n0 = Kn UMot

モータ回転数と適用電圧の関係は単純であり、無負荷動作でのみ有効です。

図 8.2: 電圧による回転数ートルク特性模式図 
図 8.2: 電圧による回転数ートルク特性模式図
赤:公称電圧での特性直線
青:より高いモータ電圧での平行移動した特性直線

特性領域

同一モータ・タイプの様々な巻線の特性直線は、それぞれ特定の公称電圧で示されます。公称電圧は異なる巻線全てがほぼ同じ無負荷回転数になるように設定されています。
全ての巻線を同じ電圧の特性直線上にプロットすると、図 8.3に示すような平行な直線のグループになります。これは、与えられたモータの巻線の特性直線がすべて、ほぼ同じ傾きまたは勾配(コラム:回転数/トルク勾配Δn/ΔMの意味するもの 参照)を持つ一方、異なる回転数定数knを持つためです。

図 8.3: 同じモータ・タイプの異なる巻線の回転数-トルク特性直線

図 8.3: 同じモータ・タイプの異なる巻線の回転数-トルク特性直線
全ての巻線でモータ電圧が同一の場合

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