実例:コントローラとフィードバックセンサの選定

単純ポンプの回転数制御
ポンプの分散率は電圧値で規定されます。モータ回転数範囲は、1,000~5,000rpmであり、数パーセントの公差内に入れる必要があります。解決策はできるだけ低コストでなければなりません。

評価
― 要求は、1方向の回転数制御、高速回転、中程度の公差です。
― 代表的用途は、クローズドループ制御、追加フィードバックセンサなし
― ブラシレスモータを用いる制御構想とフィードバックの選定 
― センサレスブロック整流は、BLDC モータ使用時は良い選択です。要求範囲内の下限のスピードであっても、十分な精度とコストパフォーマンスの多極マクソンECフラットモータであれば制御可能です。
― 設定値電圧範囲が0.8 … 5.0VのマクソンAECS35/3コントローラ

DCモータを用いる制御構想とフィードバックの選定
― DC モータの回転数はIxR補償によって可能です。高い回転数安定性は予想される。定負荷条件下で実現可能です。
― マクソンコントローラLCSとADS設定電圧は-10…+10(LSCはさらに-3.9…+3.9 V)。

コンベアベルトのオンオフ動作での回転数制御
コンベアベルト上の貨物は、フォトセンサの遮断によってベルト動作を制御します。ベルトは調整可能な定速度で動くか、停止するかのいずれかです。要求される搬送力は、最大速度1 m/sで、約100Nです。プーリ直径100mmの場合、これは約200rpmの回転数に相当します。加減速力は無視できます。

評価
― 要求される出力は100 Wです。入力する電力は、ドライブチェーン(ギアヘッド)内の損失を補填するため、少なくとも約2倍必要です。低速度、高トルクの要求に応えるため、ギアヘッドが必要です。
― 速度を正確に維持することはあまり重要ではありませんが、起動は確実にできなければなりません。ベルトの摩擦はブレーキングに利用することができます。

制御構想とセンサの選定
― 追加センサ(エンコーダ、DCタコ)のない1-Q 回転数制御の利用は可能です。
  動的ブレーキング用機能として利用します。
― ECモータを使用する場合に、ホールセンサ信号による回転数制御は良い選択と言えます(前提条件: モータ回転数は1,000 rpm以上が必要です)。
  マクソンDEC 50/5 またはDEC 70/10 コントローラ
― IxR補償を持つ回転数制御は、DC モータ使用時に利用されます。マクソン ADS 50/5 または ADS 50/10 コントローラ

エンコーダを使用する回転数制御の実例 
制御システムのスピード精度や動的応答に対する要求がさらに厳しい場合、4-Qサーボアンプが使用されます。実際の回転数情報は、インクリメンタルエンコーダによって入手します。
このような制御システムの実例としては
― 繊維機械: 編糸スプールの回転数制御です。スピードを実際の処理値になるよう動的に調節します。コマンド信号は、アナログ電圧の形で提供されます。
  使用ユニット: マクソンECモータ エンコーダ付およびDESサーボアンプ。
― 熔接ロボット: 熔接ワイヤ供給の送り制御。
  使用ユニット: マクソンギアードモータ エンコーダ付およびADSサーボアンプ。
― 塗装ユニット: 金属ワークに塗装するためターンテーブルのスピード設定。
  使用ユニット: マクソンREモータ エンコーダ付およびアナログADSサーボアンプ。
― 小型ディスク用塗装ユニット: 塗装ターンテーブルのスピード設定。 新たに要求となるのは、25,000 rpmまでの回転数での非常に高いスピード安定性。
  使用ユニット: マクソンEC モータ エンコーダ付及びDESサーボアンプ。

回転数および電流制御付の電動スクリュードライバ
電動スクリュードライバにはメーカの意向や出力要求によって、様々な制御構想が使用されています。

その1つは、スクリュードライバのヘッド部に機械的にセッティング(トルクレンチに対しアナログで)することによって締付トルクを規定してから、回転数制御コントローラによってネジ込み処理を制御する方法です。回転数の設定にはダイアルを使用しますが、場合によっては異なるステップ、例えばネジ着座用の低速モードとネジ締付け用の高速モード、が使用されます。

電動スクリュードライバの他の方法としては、締付トルクの監視と制御用にモータ電流を利用する方法があります。これらは、ネジの回転処理用の回転数制御と締付用の電流制御を併用しています。 これらのシステムのコントローラは、カスタム設計です。

巻線ストリップのための電流制御
ラベル付きのミシン目入りストリップは一定の張力でスプールに巻かれます。均一の張力はミシン目の部分が避けないようにする上で非常に重要です。したがって、スプール用途では、コギングがなく、均一に回転し、鉄心のないDCモータを使用することが必要です。モータトルクは、巻かれたストリップの直径の変化に対応するため調節可能である必要があります。ストリップをなめらかに起動することが非常に重要です。

制御構想とフィードバックセンサの評価と選定
― 制御変数はトルクであるため、電流コントローラが必要です。コマンド信号は、要求される定張力を満足するため、増加するスプール直径に応じて線形に増加しなければなりません。
― 特に注意が必要なのは起動中の条件です。電流値は、目標トルクに向けてゆっくりと増加しなければなりません。
― EC モータを使用する場合、なめらかで、均一な正弦波整流が良い選択となります。
― マクソン DES 50/5 または DES 70/10 コントローラ。
― DC モータを使用する場合、4-Q電流コントローラが使用できます。マクソン ADSまたはLSC です。
― 無負荷でスプール加速が(例えばストリップが切れた場合)制御不能になるのを避けるため、別の対策が必要かも知れません。 これを実現する方法としては、
   – 最大モータ電圧を制限
   – DC モータのIxR補償またはEC モータのホールセンサによって回転数を監視
   – 追加のセンサによって回転数を監視
     (例えばエンコーダ; 正弦波整流で既に導入済)

位置決めテーブルとドリル
穴開けドリル用電動装置は、xyテーブルの位置決め用に2台のドライブを備える必要があります。また、ドリルを下げるため(z軸)のドライブ1台と、ドリルを回すモータが必要です。4台のドライブは、追加のI/O(例えば緊急停止ボタンなど)とともに、CANバスを介してPLCによって集中制御されます。

xy-テーブルは、2個のリードスクリューによって調整されます。モータは位置決めのためにエンコーダに備えられています。2台のモータの同期は不要であり、必要なのは最終地点に到達することです。目標位置で一度、位置制御されたz-軸が回転数制御されたドリルの位置を下げます。

ここで全ての軸で必ず選択すべきなのは、PLC通信用のCANopenインターフェースを備えた位置コントローラである、EPOSの利用です。機器周辺部があまり複雑でない場合にはPLCの代わりに、コストパフォーマンスが高いプログラマブル EPOS Pを利用します。

ドリル自体は、純粋なスピードコントローラで動作させることも可能です。ドリルに対し異なるスピードで通信しなければならない場合、CANインターフェースを備えたデジタルコントローラ(例えばマクソン DES または マクソン EPOS)が利用可能です。ドリルがオンオフ切り替えのみで回転数一定の場合は、比較的シンプルな回転数制御コントローラで充分です。

この実例は、他のハンドリングシステムやオートメーションシステムの代表例とみなすこともできます。

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