12. 特殊な要求条件(4)

12.7 EMIの留意点

DCモータの電磁輻射
主な輻射源はブラシシステム(インダクタンスとブラシ反射によりアーク放電)とPWM駆動です。コアレスマクソン巻線の原理により低インダクタンスであるため、マクソンDCモータは、コア付DCモータよりもアーク放電は少ないです。奇数番号のコミュテータセグメント(1つの部分巻線を一度に整流しなければならない)と貴金属ブラシを備えたCLLコンセプトを使用することによって、ブラシの火花と電磁輻射をさらに抑制します。

 図 12.1: DC モータの電磁輻射の抑制 その手段として
図 12.1: DC モータの電磁輻射の抑制 その手段として
a) 抑制コンデンサにより高周波数ノーマルモード妨害を減衰
(逆回転方向の出力リードポイントにおける電流)
b) フェライトコアにより高周波数共有モード妨害を減衰
(同一回転方向の出力リードポイントにおける電流)

妨害対策
ドライブの構成要素の電磁輻射をできるだけ低く維持するために採用可能な対策は数多くあります。
― グラファイトブラシではなく、CLL付貴金属ブラシを使用。ブラシレスモータならさらに良。
― 端子と接地シールド間に抑制コンデンサを設置(図12.1参照)。
ドーナツ型フェライトコアをモータリードに設置。
CLLディスクのないDCモータではモータで直接抑制することを推奨。
― 可能な場合、モータのリード線をツイストし、更にシールド。(および接続点をシールド)。
― PWM駆動よりリニア出力段のコントローラ使用(例えばマクソンADSよりLSC)
― モータをハウジング内に被包し接地。(ファラデーゲージの原理)

クロストーク対策
ドーナツ型フェライトコアをケーブルに使用することによって高周波をブロックし、外部妨害に対する抵抗を改善します。これは実際に、妨害に対する抵抗が不十分な場合に、システムの妨害抑制に有効です。

EMIを考慮した配線: ガイドライン
留意点: システムとしてCE準拠の対妨害性を検証するには、個々の部品(モータ、アンプ、電源、EMIフィルタ、巻線等)を全て含んだ完結したユニットでEMIテストを実施する必要があります。

 図 12.2: マクソンEPOS 70/10位置制御コントローラを利用する推奨シールド法の実例
図 12.2: マクソンEPOS 70/10位置制御コントローラを利用する推奨シールド法の実例

次の配線のヒントは、各ケースで再検討すべき指針です。
― 電源からコントローラ (+VCC、-電源、Gnd): シールドは通常不要です。複数のアンプを一つの電源で供給する場合、Y結線を選定します。
― モータ : PWMアンプを使用する場合、モータケーブルはシールドが必要です。シールドは両端に接続が必要です。(モータ側はハウジングまたはハウジングに電気的に接続された部分)。
セパレートケーブルを使用します。
― ホールセンサ: シールドケーブルを使用し、シールドは両端に接続が必要です。セパレートケーブルを使用します(モータケーブルとは分ける)。
― エンコーダ: 推奨は、ラインドライバ付エンコーダと各チャンネルのツイストペア(Channel A、A-; Channel B、B-; Channel I、I-)。シールドは通常不要。妨害の顕著な環境では、ケーブルシールド両端へ取付けが必要となる可能性。セパレートケーブルを使用します。
― レゾルバ接続 : シールドケーブルを使用します。ペア”cos+/cos-”、”sin+/sin-”と”1次側レゾルバ/1次側GND”はツイストしシールドが必要です。接地ループを避けるため、レゾルバ側の シールドは、プラグハウジング(=モータハウジング)に接続しないでください。
― アナログ信号(設定値、モニタ出力): シールドは通常不要です。苛酷な電磁環境で低レベル信号のアナログ信号の場合、ケーブルシールドを使用します。シールド端は通常両側に接続します。
50/60 Hzの影響が出る場合は、片側のシールドを外します。
― デジタルI/O信号: シールドは通常不要です。
― RS232 : ツイストペア、シールドケーブルを推奨します。セパレートケーブルを使用します。
― CAN : CiA DS-102参照。(ツイストペアのシールド2芯線、終端抵抗) 特性インピーダンス終端は、外部回路によります。

保護的接地とシールド
保護的接地という用語は、人の保護のために安全上の理由で定義されています。接地シールドという用語は、ケーブルシールドを接続する接続点をカバーします。接地シールドは通常、保護的接地と同じ電位となります。デバイスを保護的接地することによって故障時に過電圧から保護し、ケーブルシールドを接地シールドに接続することによって入出力される妨害から保護します。
妨害抑制を最大にするには、ケーブルシールドは両側で、できるだけ低インピーダンスで接続されなければなりません。例外を設ける場合、正当な理由が必要です。(例えば、低レベル信号を伴う非常に重要なアナログ信号で片側接続など)
マクソンアンプは通常、金属ハウジングを持ちます。理想的には、ハウジングは導電接続するよう、金属の取付け板にねじ止めします。したがって、ケーブルシールドは広範囲にわたって、導電性ケーブル金具によって取付け板に接続されます。ケーブルシールドは理想的にはアンプ側に接続されます。
上記の接続方法が不可能な場合、シールドはユーザマニュアルに示すように、アース表示のある端子または、ハウジングまでできるだけ低インピーダンスで接続されます。
マクソンモータの保護膜表面(塗装)では、低インピーダンスシールド接続することがより困難になります。可能な場合、シールドを金属フランジに取り付けます。

ループ
ケーブルシールドの両端での接続によって、導電性ループが作成されます。 非常に重要なアナログ 信号の場合、50/60Hzのクロストーク妨害があると、シールドを片側のみ接続するよう判断するかもしれません。しかし本来は、ケーブルシールドは両端に接続すべきです。もし、両端接続で妨害が発生する場合、これは接地設計が良くないか、ケーブルの引き回しが望ましくないことによる大きなループが起因しているかも知れません。

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